東京都は、かつて武蔵国(むさしのくに)の一部で、江戸(えど)と呼ばれていました。1603年に徳川家康が江戸幕府を開き、それ以降、江戸は日本の政治の中心地になりました。明治元年(1868年)に日本の首都になり、同年7月17日に名称が江戸から東京都へと改められました。それ以前は京都府が日本の首都であったため、「東の京都」という意味を込め、「東京都」という地名が付けられました。
ここは、中央区の「銀座」のように最新のブランド店が立ち並ぶ先進的な街並みもあれば、文京区の「根津神社」のように歴史ある社寺が残り、まるで田舎のように静かな場所もあります。日本の伝統工芸品から最新のトレンド商品まで、何でも見つかります。数え切れないほどのレストランやカフェが存在していて、日本全国は勿論、世界中の料理を楽しむことができます。現代的な日本と伝統的な日本の両方の魅力を併せ持つ、独特な雰囲気の漂う大都会です。
いくつかの日本料理がここで生まれましたが、その1つが「もんじゃ焼き」です。江戸時代末期に、下町(商人・職人などの多くが住んでいる町)で誕生しました。最初は子どものおやつとして、出汁で溶いた生地を使用して鉄板に文字を書き、文字を覚える遊びをしながら食べていたと言われています。当初は「文字(もんじ)焼き」と呼ばれていました。現在では全国的に親しまれている料理です。また、「鯛焼き」という和菓子もあります。明治42年(1909年)に誕生し、名前の通り、鯛の形をした和菓子です。生地の中に小豆で作った甘い餡子(あんこ)が詰まっている和菓子です。カスタードや他の具材が中に詰まっていることもあります。鯛焼きはもんじゃ焼きと同様に、全国に広まり、高い人気を誇っています。この他にも多くの名物料理があり、いずれも繰り返し味わいたくなる物ばかりです。
日本各地には伝統工芸品があります。これは、長い歴史を持つ手仕事によって生み出された物です。発祥地には諸説ありますが、東京都で生まれたとされる伝統工芸品の1つに「招き猫」があります。商売繁盛を願って広く用いられるこの猫の置物は、世田谷区の豪徳寺や台東区の今戸神社を発祥とする説が伝えられています。店のレジ横に置かれることが多く、客を呼び込み、売り上げを伸ばす効果があると信じられています。現在では日本全国で広く見られ、店を営む人々にとって欠かせない存在と言えます。
東京都は、たまに海外映画の撮影地として選択されることがあります。その一例が、米国映画『ロスト・イン・トランスレーション』です。この映画では、渋谷駅前交差点をスカーレット・ヨハンソンが渡る場面があります。この場面をきっかけに渋谷区のこの交差点は世界的に知られるようになり、多くの訪日外国人が写真や動画を撮影する人気スポットです。
日本を旅する多くの人は、東京都で観光を楽しみます。大勢の人が行き交う賑やかな所という印象を持ちやすいですが、まるで田舎のように静かな街もあり、都会が苦手な人でも安心して楽しめるでしょう。観光や買い物、絶品料理など、様々な楽しみ方ができ、誰でも自分に合った楽しみを見つけ、充実した時間を過ごせるので、是非1度東京都を訪れてみて下さい。
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