香川県は四国地方にある都道府県の1つで、かつて「讃岐国(さぬきのくに)」と呼ばれていました。現在は、愛称として「うどん県」と呼ばれています。うどんの原料である小麦粉が豊富に獲られる都道府県であるため、うどんを提供する専門店が沢山あります。基本的に太く、コシ(弾力)のある麺が特徴です。
うどんだけでなく、香川県は伝統工芸品も有名です。特に、「丸亀うちわ」が有名です。日本三大うちわの1つとして親しまれているこの団扇は、江戸時代(1603〜1868年)の初期に初めて制作されたと言われています。元々は香川県の有名な神社である「金刀比羅宮」の参詣者のお土産として生産されていました。天狗がよく持っている羽団扇(はうちわ)をモチーフに、赤い丸印に囲まれた「金」という文字を使用した意匠(デザイン)でした。現在、日本中で生産されている団扇の9割程度が香川県丸亀市で生産されています。丸亀市に丸亀うちわミュージアムがあり、この特産品に関して詳しく知ることができます。
香川県は何カ所かの観光名所を誇っていますが、その1カ所は「栗林公園」という日本庭園です。16世紀後半に地元豪族である佐藤氏の庭園で、当時は狭小な物でした。寛永8年(1631年)にこの地を治めた生駒家の家臣・西嶋八兵衛(にしじまはちべえ)が治水工事を行い、より広大な庭園にしていきました。この池の周りの植物や石などがとても美しく見える配置で、池の中にいる鯉に餌を与えることができます。また、「花園亭(はなぞのてい)」という所では、香川県の料理や酒を楽しみながら休憩できます。昭和28年(1953年)に「特別名勝」として指定されたこの庭園は、時間をかけてじっくりと周るのがおすすめです。
香川県から船で1時間ほどで行ける「小豆島」も観光地の1つです。狭小な島でありながらも、日本中で評判の醤油の名所です。醤油を製造している会社が小豆島に何社かありますが、特に「ヤマロク醤油」が有名です。この会社は、木桶を使用して醤油を製造しています。日本では木桶や木樽を作成している職人が減少していて、手に入れにくくなっています。そのため、ヤマロク醤油は自ら木桶や木樽を作る技術を身に付け、手作りの物を用いて醤油の製造を行っています。この島には、醤油の製造以外に、「二十四の瞳映画村」など、他にも観光地が何カ所かあります。
香川県に「瀬戸大橋」という巨大な橋が架けられています。これは、岡山県と香川県を繋いでいる橋で、四国地方と本州の通り道の1つとして重要な役割を持っている地点と言えます。全長は12.3キロメートルもあるこの橋から広がる瀬戸内海を一望でき、この景色がとても美しいです。
決して広大な都道府県ではありませんが、香川県で訪れたい観光地や食べたい料理を誇っています。四国地方の良さが伝わる香川県も是非日本旅の予定に入れてほしいです。
注意
香川県の定番の観光地は公共交通機関を利用すれば、訪れられますが、うどん専門店の多くは公共交通機関が限られている場所にあります。そのため、うどん巡りを考えている人は、レンタカーを利用すると便利です。