栗林公園

著者：リチャード・パーキンス
撮影日：2025年05月12日
住所：〒760-0073 香川県高松市
栗林町１丁目２０−１６
入場料：大人 500円・（団体）400円｜
小中学生 170円・（団体）140円

日本全国には、小さい寺院の境内にひっそりと作庭されている庭園から広大で世界的に知られている庭園など、様々な庭園があります。広大で豪華な庭園の1つは、香川県にある「栗林公園」です。16世紀後半に地元豪族である佐藤氏が整備した庭園です。この庭園は、フランスの旅行ガイドブックである「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」（2009年版）に載っていて、三つ星を獲得しています。現在は広大な庭園でありながらも、元々はより狭小な庭園でした。寛永8年（1631年）にこの地を治めた生駒家の家臣・西嶋八兵衛（にしじまはちべえ）が治水工事を行い、より広大な庭園にしていきました。昭和28年（1953年）に「特別名勝」として指定されたこの庭園は、約16.2ヘクタールで、文化財庭園としては日本最大の広さです。時間をかけてじっくりと周るのがおすすめです。

栗林公園の真ん中に巨大な池が位置しています。ここは池泉回遊式（真ん中にある池を歩道が囲む様式）の大名庭園（江戸時代に各藩の大名が江戸や地元で築造した庭園）です。園内には、「南湖（なんこ）」・「北湖（ほっこ）」・「箱木池（はこぎいけ）」・「ひょうたん池」という4つの池が配置されています。それぞれの池の周りの植物や石などがとても美しく見え、池の中にいる鯉に餌を与えることができます。また、「花園亭（はなぞのてい）」という所では、香川県の料理や酒を楽しみながら休憩できます。「商工奨励館」と呼ばれる施設も園内にあります。明治時代（1868〜1912年）に建てられたこの建物は、資料館として開館されていて、栗林公園や讃岐うどんなど、香川県の魅力を知ることができます。

この庭園の最大の楽しみは、和船なのではないでしょうか。約7,890平方メートルの南湖を日本の伝統的な木造の船で通ることができます。約30分の船旅ですが、ゆらゆらと動く和船の中で異なる角度から栗林公園を眺めることができます。ゆっくりと堪能しつつ船頭が様々な案内をしてくれ、より詳しく栗林公園の魅力を知ることができます。和船は入場料とは別に料金がかかるものの、どの日本庭園でも和船に乗れるわけではないので、格別な経験です。また、予約が可能です。

この庭園の隣にある「かがわ物産館 栗林庵」では、香川県の伝統工芸品である「香川漆器」から名物である「讃岐うどん」まで、特産品は何でも購入できます。庭園を楽しんだ多くの観光客はお土産を買って帰りたいでしょう。香川県の様々な物が魅力的に陳列されていて、数軒の店を周らなくても、ぴったりの物をここで見つけられるので、おすすめです。

栗林公園は、松の庭園として知られています。庭園内には1400本の松の木があり、日本一松の木が多い庭園と言われています。この特徴的な景色は、春夏秋冬、美しいです。また、春に桜が咲き、夏には植物の深い緑色が楽しめます。秋には木々が真っ赤に染まり、紅葉を見るのに最適な場所です。冬に雪が積もれば、言葉で表現できないほど神秘的で、更に美しい庭園に変化するに違いありません。これほど広大で豪華な庭園は珍しいです。世界的に愛されている栗林公園を是非訪れてみて下さい。