著者:リチャード・パーキンス
撮影日:2025年08月29日
住所:〒590-0035 大阪府堺市堺区
大仙町 7-1079-1
日本全国には、「古墳」と呼ばれる古代の墓が数多く残されています。古墳とは、古代に造られた有力者の墓で、土を高く盛り上げて築かれたものです。前方後円墳、円墳、方墳など、様々な形があり、大きさも小型のものから巨大なものまで多様です。全国に数多く存在する古墳の中でも、特に有名なものの1つが、大阪府堺市にある「仁徳天皇陵古墳」です。
全長約486メートル、周囲約2.7キロメートルにも及ぶ仁徳天皇陵古墳は、5世紀中頃に築造されたと考えられています。堺市には仁徳天皇陵古墳だけでなく、その周辺にも多くの古墳が残されています。これらは「百舌鳥古墳群(もずこふんぐん)」と呼ばれ、仁徳天皇陵古墳はその中心的な存在です。現在、堺市には44基の古墳が残されていて、古墳を取り囲む豊かな緑とともに、歴史を感じられる美しい景観を作り出しています。
仁徳天皇陵古墳をはじめとする百舌鳥古墳群は、現在も多くの謎に包まれています。発掘調査が一切行われていないわけではありませんが、内部の詳しい調査は十分に進んでいません。その理由の1つとして、日本では古くから墓を大切にする文化があることが挙げられます。また、宗教的・文化的な価値を尊重する考え方や、貴重な文化財を保護する必要性も関係しています。更に、仁徳天皇陵古墳をはじめとする一部の古墳は、宮内庁(皇室に関する事務を担当する機関)によって陵墓として管理されているため、慎重な扱いが求められています。
仁徳天皇がここに埋葬されていると伝えられていますが、前述の理由により、そのことは確認されていません。
日本最大級の古墳である仁徳天皇陵古墳を見学するため、多くの観光客が大阪府堺市を訪れます。しかし、古墳は広大な森と濠(ほり)に囲まれているため、近くまで行っても、全体の形を見ることはできません。仁徳天皇陵古墳を含む百舌鳥古墳群を一望するには、堺市役所高層館21階にある展望ロビーがおすすめです。大きなガラス窓に囲まれた展望ロビーからは堺市の街並みを見渡すことができ、仁徳天皇陵古墳の大きさや、周辺に数多くの古墳が点在している様子を確認できます。古代の人々が築いた巨大な墓と、その周囲に広がる古墳群の壮大さを実感できる、印象的な景観です。
2019年には、百舌鳥古墳群と大阪府藤井寺市・羽曳野市(はびきのし)にある古市古墳群が、「百舌鳥・古市古墳群―古代日本の墳墓群」として世界遺産に登録されました。これは大阪府で初めての世界遺産で、日本の古墳としても初めて世界遺産に登録されたものです。
大阪府堺市にある世界遺産について学ぶには、百舌鳥古墳群の近くに設けられた「百舌鳥古墳群ビジターセンター」や「堺市博物館」がおすすめです。これらの施設では、古墳の歴史や文化的価値について詳しく学ぶことができます。百舌鳥古墳群は、世界的にも高く評価されている貴重な歴史遺産です。まず堺市役所高層館21階の展望ロビーから古墳群を眺め、その後にビジターセンターや博物館を訪れることで、古墳群を守り、後世へ伝えていくことの大切さをより深く理解できるでしょう。
仁徳天皇陵古墳は、日本を代表する巨大な古墳の1つで、その規模と歴史的価値はとても大きなものです。大阪府堺市には、仁徳天皇陵古墳をはじめ、多くの古墳が集まる百舌鳥古墳群があり、歴史的価値の高い景観が広がっています。周辺にはビジターセンターや博物館もあり、古墳の歴史や魅力についてより深く学ぶことができます。また、公共交通機関で訪れやすく、大阪府の観光予定にも組み込みやすい場所です。大阪府を訪れる時には、是非仁徳天皇陵古墳を訪れ、日本の古代史を感じられる壮大な景観を体験してみて下さい。