著者:リチャード・パーキンス
撮影日:2021年05月28日
住所:〒111-0036 東京都台東区
松が谷3丁目7−2
「曹源寺」は天正16年(1588年)に東京都台東区で建立された曹洞宗の寺です。元々は江戸城の和田倉門(わだくらもん)に建立され、その後、現在地に移転されました。一般的な寺に見える曹源寺ですが、「かっぱ寺」とも呼ばれています。「かっぱ」は妖怪の「河童」を指しています。江戸時代(1603〜1868年)の話ですが、大雨が降るたび、ある掘割が洪水し、住民が苦しんでいました。雨合羽商の合羽川太郎(雨合羽商の喜八)は実費で洪水を抑制するための必要な工事を行い、隅田川在住の河童が手伝ってくれたそうです。河童がいたおかげで工事を早く完成させることができました。工事の手伝いをしてくれた河童の噂が広がって当寺に河童大明神として祀られているのと、合羽川太郎が曹源寺に葬られた関係で曹源寺に「かっぱ寺」という名前が付きました。
上記の河童が工事の手伝いをする話を信じない人は信じず、河童や他の妖怪が実在すると信じない人も大勢いるでしょう。しかし、河童が実在したという証拠が曹源寺にあります。許可なしに本堂は立ち入り禁止ですが、本堂に河童の手が納められています。本堂の窓グラスから手が入っているケースを臨むことができます。
様々な社寺では、神様への捧げ物として酒(特に御神酒)や食べ物が置かれている場合があります。それと同様に、賽銭箱の上に胡瓜(きゅうり)が置かれていて、これは河童への捧げ物ですが、同時に他の妖怪などの参拝を呼び掛けているように見えます。妖怪への愛がしっかりと感じられる寺で、妖怪好きにおすすめです。