著者:リチャード・パーキンス
撮影日:2021年03月20日・2021年08月25日
住所:〒182-0017 東京都調布市深大寺
元町5丁目15−1
東京都調布市にある深大寺は正式に「天台宗別格本山浮岳山昌楽院深大寺」と呼ばれている天台宗の寺で、天平5年(733年)に満功上人(まんこうしょうにん)が開山したと言われています。満功上人の父である福満(ふくまん)はある豪族の娘と恋に落ちました。しかし、その娘の両親はその恋に反対し、娘は湖にある小島に隔離されました。福満は諦めず、水神の深沙大王(じんじゃだいおう)に祈願しました。そうしたところ、霊亀が現れ、霊亀に乗って福満は娘のいる島に行くことができました。このできごとを知った娘の両親は2人の仲を許し、そのうち、満功上人が生まれました。
元々は江戸末期(慶応元年・1865年)に創建されましたが、火災に遭い、大正8年(1919年)に再建されました。国宝に指定された「釈迦如来像」や「元三大師像」が安置されています。元三大師像は普段見物ができない場所に保管されているため、深大寺へお参りする時は、目にできない可能性があります。座像であるのにかかわらず、2メートルほどある大きい仏像です。また、満功上人の親である福満が深沙大王に祈願して好きだった豪族の娘と結ばれたので、縁結び・良縁成就・厄除けなどの御利益があります。境内は神秘的な世界に突入したと思わせるほど自然が豊かでおすすめです。また、毎年の3月3日〜4日に日本三大だるま祭りと言われている「深大寺だるま市」、7月中旬に「深大寺鬼燈まつり」、10月中旬には「そば守観音供養祭」が開催されます。春夏秋冬楽しめる寺です。
深大寺の周辺に蕎麦屋が何軒かあり、調布市には「深大寺蕎麦」と名付けられている名物があります。江戸時代に深大寺の周辺は米を植えるのに適しなかったため、小作人が深大寺に蕎麦粉を献上しました。その蕎麦粉で蕎麦を作ったのが深大寺蕎麦の始まりと言われています。とても美味しいので、深大寺へお参りしに行く時は是非食べてみて下さい。
豆知識ですが、東京都の寺の中で深大寺は2番目に古い寺です。そして、深大寺という名前は、深沙大王に由来しています。