著者:リチャード・パーキンス
撮影日:2020年11月02日
住所:〒370-0868 群馬県
高崎市鼻高町296
「少林山達磨寺」は群馬県高崎市にある黄檗宗(おうばくしゅう)の寺です。室町時代末期より、人々の苦しみを聞き、必要に応じて救いを与える神様である観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)を祀る寺が碓氷川(うすいがわ)という群馬県にある川の周辺にありました。ある年洪水が起き、村人が碓氷川から古木を取り、霊木として観音堂に納めました。延宝8年(1680年)に行者の一了居士(いちりょうこじ)が霊夢を見るのがきっかけで、観音堂に納められていた霊木を達磨大師(中国に禅宗を伝えたインド人)の像として彫り込みました。彫り込んだ達磨大師の像を観音堂に納めるのが少林山達磨寺の始まりです。
達磨がざらりと並んでいるこの寺は、日本の伝統工芸品の1つである達磨の発祥地だと言われています。天明3年(1783年)に浅間山が噴火し、それにより、飢饉が起こりました。そこで、近くに在住し、苦しんでいる農民のために力になりたいと9代目の住職の東嶽和尚(とうがくわじょう)が、東皐心越禅師(とうこうしんえつぜんじ)が描いた「一筆達磨坐禅像」という作品を基に木型を彫り、張り子の達磨を制作し、制作方法を農民に伝授しました。これで、達磨という伝統工芸品が誕生しました。