著者:リチャード・パーキンス
撮影日:2020年12月29日・2022年09月02日
住所:〒605-0828 京都府京都市
東山区金園町390
金剛寺(八坂庚申堂)は三庚申(さんこうしん)と呼ばれる真言宗の寺で、庚申信仰を日本に伝える寺の1つです。日本全国に三庚申と呼ばれる寺が3軒あり、京都府の金剛寺(八坂庚申堂)以外に、大阪府の四天王寺庚申堂と東京都の入谷庚申堂(小野照崎神社の庚申塚)があります。
庚申という言葉は干支(えと)の庚(かのえ)と申(さる)に当たる言葉で、中国道教が教える三尸説(さんしせつ=人間の体に虫がいるという考え)を基に、仏教、神道、修験道(山に籠って修行をし、悟りを得る目的のある日本古来の山岳信仰)、日本の民間の複数の信仰ででき上がっている複合信仰です。
金剛寺に独特な習慣があります。日本の多くの社寺に絵馬(えま)に叶えてほしい願いを書き、専用の場所にかけますが、金剛寺では絵馬に自分の願いを書かず、「くくり猿」と呼ばれる明るい色をした手鞠(てまり)のような物に書きます。くくり猿は好きに行動し、我が儘な心を持つ人を抑制するために作製されたお守りです。好きに行動せずに欲望を抑制し、本尊である青面金剛(しょうめんこんごう)にくくり猿を奉納すると、願いが叶うと言われています。