かつて、山口県は「長門国」や「周防国」と呼ばれていました。本州の最南端に位置する山口県は、この地で、初代総理大臣の伊藤博文や明治維新で活躍した偉人達を教師として学問を教えた吉田松陰などが誕生しています。有名な拓殖大学の創立者である桂太郎の出身地でもあります。また、日本の総理大臣が最も多く誕生しているのも山口県です。
日本を訪ねたことがない人でも、山口県を耳にしたことがある人は多いでしょう。世界的に有名な新聞であるニューヨークタイムズが毎年「行くべき52カ所」を公開し、その年に訪れる甲斐がある国や町を紹介しています。「2024年に行くべき52カ所」のランキングが発表され、3位に山口市が選ばれました。山口県は、交通機関が少なく、車が必須な都道府県です。しかし、山口市の観光名所が密集しているため、交通機関だけで観光できる場所が何ヶ所かあります。ここは都会の混雑から離れ、ゆっくりと自分のペースで観光したい人に丁度いい場所です。
現在の山口県といえば、「獺祭」という日本酒(日本古来の酒)を真っ先に思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。獺祭は革命的な酒で、日本酒を救いました。洋酒のビールやウィスキーなどの普及で日本酒を飲む日本人が減少していました。しかし、旭酒造はとても美味しく、評判のある獺祭を製造したことで、日本酒に興味を持つ人が増加し、現在は日本に限らず、世界的に飲まれている大人気の酒です。
獺祭を製造している旭酒造は、山口県岩国市獺越(おそごえ)という所にあります。その地名から「獺」(カワウソ)を使用し、銘柄に入れています。「祭」(祭り)という字を合わせ、獺祭は「獺が捕らえた魚を岸に並べる風景が祭りのように見える」という意味です。そこから「参考資料を周囲に広げる」と捉えるようになった表現です。
山口県は、日本酒以外にも歴史深い老舗旅館を何軒か誇っています。山口市に「松田屋ホテル」という老舗旅館があります。この旅館は、延宝3年(1675年)に創業しました。街中にあると思えないほど静寂な境内で、日本の古き良き文化をとことん味わえます。また、長門市に「大谷山荘」という老舗旅館があります。この老舗旅館は、明治14年(1881年)に創業した後、昭和35年(1960年)に湯本温泉に移築されました。最高級のおもてなしが味わえることで大人気の宿です。
山口県は、歴史や最高級の日本酒、温泉街、老舗旅館など、日本人の誇りと言える物が沢山詰まっています。しかし「2024年に行くべき52カ所」に選ばれたのにかかわらず、未だに観光客の少ない都道府県です。前人未到かのような感覚で観光ができる場所が多いため、ここでは急かされずに落ち着いた旅ができ、おすすめです。下記の記事を読み、山口県に興味を持ってもらえると嬉しいです。
注意
山口県は観光するのにおすすめですが、車がないと不便です。交通機関で周れる場所もありますが、車の方が早く、安く周れる場合が多いです。短い旅はともかく、全体的に山口県を見てみたい人は、レンタカーをするとより多くの観光地を訪れることができます。